比べてみました 日本三大和牛 ブランド牛どれがNo.1!?

全国有数のブランド牛のなかでも、段違いに美味しいのは日本三大和牛の松阪牛、神戸牛、近江牛。これらの多くが兵庫県但馬地方の子牛が素牛(もとうし)です。各地の風土などに合わせて丹精込めて育てられた子牛は、それぞれに特徴を持った牛肉に―これらのなかで一番美味しいのはどのブランド牛なのでしょうか。

松阪牛(まつさかうし)

松阪牛(まつさかうし)

松阪牛とは

松阪牛とは、但馬(たじま)地方をはじめ全国から厳選された生後8か月の黒毛和種の素牛を、三重県松阪市とその周辺で肥育された牛を指します。松阪牛個体識別管理システムへの登録が義務づけられており、厳格な品質管理がなされています。

1935年「全国肉用牛畜産博覧会」で名誉賞を受賞するなど、その名声の歴史は古く、枝肉格付最上級のもののみが松阪牛と認定されます。

基本的に放牧はせず、個室牛舎で快適な環境を作っている農家もあり、また牛の食い止まり対策にビールを飲ませたりマッサージをするなどして肉質を向上させる方法もあり、獣医学的にもその有用性は認められています。

おいしさの特徴

松阪牛の特徴はその良質な脂肪にあります。キメ細やかなサシが入り、見た目にも美しい霜降りであり、甘みのある脂肪が肉質の柔らかさを舌の上で引き立てます。また肉質の良さは香りにも表れており、火を入れることでさらに芳醇な香りを醸し出します。

神戸牛(神戸肉、神戸ビーフ)

神戸牛(神戸肉、神戸ビーフ)

神戸牛とは

松阪牛と同じく、神戸牛(正式には神戸肉、もしくは神戸ビーフ)もまた素牛は但馬牛です。枝肉(皮、骨、内臓以外の部位)の品質がある基準を満たした兵庫県産のものが「神戸牛」となりますが、「但馬牛」として出荷されることもあります。

歴史としては、1868年に神戸港が開港された際に多くの外国人が訪れ、彼らが但馬牛を食してその美味しさを評価したことで国内だけでなく海外にまで広まったとされています。

おいしさの特徴

マーブル状に入ったキメ細かなサシが特徴的。低温でもとろける脂肪が肉の柔らかさと旨味を引き出し、サッと火を通すだけで濃厚な肉本来の味を表現します。

近江牛(おうみうし)

近江牛(おうみうし)

近江牛とは

松阪牛と同じく、近江牛もまた但馬(たじま)地方をはじめ全国から厳選された牛を素牛としており、滋賀県内で長い期間肥育された牛にのみ、その呼称が認められます。

歴史は古く、約400年を誇ります。史実として1590年に高山右近が細川忠興らに近江牛を振る舞ったという記録が現存しているのです。滋賀県の近江地方は豊かで良質な河川が流れる地であり、また寒暖差があることによって肉質にしまりを与えているとの見方もあります。

おいしさの特徴

豊かな自然環境で育てられている近江牛は、肉自体に色ツヤがあり、程よく入ったサシが香りよくとろけます。また他の和牛とくらべて粘り気のある脂肪が、柔らかな肉にさらなるまろやかさを与えます。

日本三大和牛の中で一番おいしいのは!

結果

それぞれが特徴的で良質な脂肪を持つ三大和牛。しかし素牛から辿って行くと、定義に差があることがわかります。そのなかで顕著なのが、松阪牛は子供を産んでいない雌牛のみしか認定されないこと。雄牛とくらべて雌牛(特に子供を産んでいない雌)は肉質が柔らかく、香りも良いとされています。

さらには松阪牛のなかには、格式高い「特産松阪牛」というブランド牛が存在します。特産松阪牛とは、素牛を但馬牛に限定し、900日以上松阪地方で肥育したものを指します。これは松阪牛のなかでもわずか6%のみにあたり、その厳格な定義と飼育方法によって、日本一かつ世界一の品質と美味しさを保証していると言えるのです。